ジャス君、屋外の犬小屋に引っ越してして間もなく、悲劇に見舞われた。
それは、春の麗らかな夕暮れ時だった。
晩ご飯を心待ちにしているジャス君の元に、近所で飼われている土佐犬の成犬が突然現れた。
鎖に繋がれたジャス君、逃げ場を失っていた。
ひたすら怯えるジャス君を、容赦なく土佐犬は襲った。
まだまだ子犬のジャス君、身軽に土佐犬を交わしていたけど、ついに押さえつけられた。
騒ぎを聞きつけて、親父殿がナタを片手に土佐犬を追い払った。
取り残されたジャス君、およそ犬の鳴き声じゃなかった。
怯えて、声が震えていた。
「ヒ~、ヒ~!」
全身、震えが止まらないジャス君を見た祖母が、すかさず飛んでいった。
土佐犬に噛まれたジャス君の前足を手に取り、祖母は言った。
「痛いの、痛いの飛んでいけぇ!」
すると、ジャス君、すっくと立ち上がった。
まるで・・・
「もぉ、ボク、大丈夫!」
って、感じだった。
これを見た祖母は、言った。
「これって、犬でも効くんだぁ?」
祖母は、長年の経験でとっさに人間の子どもと同じように、
ジャス君にもやってしまったらしい(^^;)/
その間に、親父殿はその土佐犬の飼い主の元を訪れて、抗議した。
「今回は、犬が噛まれただけで済んだけど、
これが人の子どもだった、どうするつもりだ!」
すると、小一時間もすると、土佐犬の飼い主宅の家人が日本酒の一升瓶を持参してわびを入れに来た。
親父殿、更に怒った。
「謝る気持ちがあるなら、自分では無く、
被害を被った犬に謝ってくれ!」
そう言って、置いて行った一升瓶を、お袋殿が返しに行った。
後年、何度も土佐犬は逃げだし、ついには通りかかった婆さんが噛まれ、入院することになったらしいです。

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